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京極夏彦「嗤う伊右衛門」読了

嗤う伊右衛門
京極 夏彦 / 角川書店
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原作の東海道四谷怪談など露知らず、ただ京極堂シリーズ、巷説シリーズが読み終ってまだ読んでないし、他に読みたい本が無かったので購入。実は巷説シリーズの又市が絡んできているというのも興味を惹かれた理由。これが多分最初の登場なのかな?余り小股潜りっぽさが感じられなかったし。

で、原作を知らない私としては、四谷怪談と言えばお岩さんとお菊さんが混同しており、顔の醜く爛れた女性が皿を数える、番町皿屋敷といった最早滅茶苦茶な知識しかない。しかしながら、内容は別に関係なく愉しめるものだった。

伊東の腹黒さ、反吐が出るほどの悪党さが目を見張り、岩の人間臭さ、伊右衛門の実直さが際立つ表現はさすがだった。そして、この時代劇風味溢れる切ないすれ違いなラブストーリーは、怖さよりも哀しさが上回っている。男と女、侍と商人、与力と同心、そういった差異から生まれた歪みが大きくなり、この悲劇を構成したのか…。くどいようだが原作は知らない…が、古典芸能だけにきっと良い出来なのだろう。

ちなみに映画も見て居ないが、いずれ見てみたい。唐沢寿明と小雪だし!


岩様―それではあなた様は只今―お幸せだと仰るか―。
by rucie4 | 2006-04-09 18:19 |